古代山城跡の残る西日本の自治体関係者らが集う「第6回古代山城サミット西条大会」の記念式典が1日、愛媛県西条市神拝の市総合文化会館であり、18市町の関係者や西条市民ら約800人が今治市との境に位置する国史跡「永納山城跡」の整備・活用策を学んだ。
 永納山城跡は永納山(132メートル)などの山域に7世紀後半~8世紀前半に築かれた古代山城遺跡。朝鮮半島の白村江の戦い(663年)で唐・新羅連合軍に敗れた倭(後の日本)が侵攻に備えて瀬戸内海沿岸や九州に築いた城の一つと考える説が有力視されている。
 式典では、永納山城跡近くの楠河小学校の6年生17人が史跡の特徴や学校の取り組みなどを発表。西条市教育委員会の職員が発掘調査結果や整備の基本方針などを示し、「これから整備を目指す段階で、多くの皆さんと協力して活動していきたい」と話した。
 シンポジウムもあり、愛媛大名誉教授や地元の地域史研究者らが、土塁や列石などの見どころ▽伊予国府跡(未発見)や陸海交通との関連▽植生管理―などの観点から、「しっかりと樹木を除間伐すると素晴らしい景観になると思うが、まだ宝に磨きが掛かっていない」「遠くから見えるように意識して整備したらどうか」などと意見を述べた。
 サミットは古代山城跡を地域の活性化に役立てようと、所在地の自治体などが2010年からほぼ毎年開催。次回は18年に福岡県朝倉市で開かれる。